EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

オーレリアンはサッと居間を見回してから空いている一人掛けの席に着いた。

腕に抱えている分厚い本は、おそらく図書室から持ってきたものだろう。

彼がそれを開いて読み始めた時――。

「最近、よくここに来るね」

静理がニコリと笑いながらオーレリアンを見た。

「は?僕がどこにいようと静理に関係ないでしょ」

「いや…気にしてるのかなと思って」

「何を?」

「小鳥ちゃんのこと」

この兄の指摘に、弟二人は声を上げて驚いた。

「なっ!?僕が!?メスブタを!?」

「オーレリアンが小鳥を気にするとか、ありえないっしょ!」

「だって、今までは図書室と自室にこもってばかりだったのに、わざわざ居間に本を持参して来るなんて……誰かに会いたいのかなと思っていたんだけど」

静理の観察力は鋭いから苛立たしい。

オーレリアンは兄を思い切り睨みつけた。

「静理、ウザイ。僕がメスブタに会いたいとかありえないし。変な勘違いするなら殺すよ?」

そう言って懐から注射器を取り出す。


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