EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
(あれ…?)
ふと斜め前を見れば巨大な鏡。
脱衣所兼洗面所のここに鏡があるのは当たり前。
その鏡に映る静理を見てしまい、小鳥は焦った。
(はうぁあ~!!ごめんなさい静理さん!見るつもりはなかったの!!)
心の中で謝っていると、静理の背中に目が吸い寄せられた。
(え…?あれは…)
鏡ごしにもハッキリ見える。
背中に、無数の傷痕。
それは背中を何度もムチで打たれたような痕だった。
(背中一面に、酷い…。あんなくっきり痕が残るなんて…)
驚いて凝視している小鳥には気づかず、静理はシャワールームへと消えた。
(どうしたのか聞いてみたいけど……聞きづらいな)
興味本位で尋ねてはいけない気がする。
そう直感で感じた小鳥は再び家事に没頭することにした。