EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

そこはカロンの部屋。

散歩を終わらせ中に入ろうとする彼は、何を思ったのか小鳥をジーッと見つめると「来い来い」と手招きした。

ビクリと肩を震わせる小鳥。


相手はカロンだ。

ほいほいついて行ったら、二匹の黒ヒョウ達みたいに首輪をつけられてペット扱いされてしまうかもしれない。

何たって彼は「正しい人間の飼い方」という授業を真剣に受けている生徒だ。

俺のペットにならないかと言われた過去がある以上、油断はできない――。

が。


(カロンさんの部屋…)


興味はある。

ペットになりたい願望があるわけじゃないが、好奇心は旺盛だ。


「………」


ゴクリと生唾を飲み込む。

そんな揺れる心を見透かしているのか、カロンが誘い文句を一言。


「おいで」


優しく、甘く、魅惑的な響き。


まるで魔力がこめられているよう。

小鳥は操られるようにしてカロンの自室へ、ゆっくり足を踏み入れた。





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