EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 部屋の中は割と綺麗に片付いていた。

そしてシンプルだった。

中央にはテーブルとソファー、壁際には巨大な黒い柩とクローゼット。

無駄なものがないため、生活感もない。

と思いきや…。


(あれ?あそこだけ、汚い…?)


隅っこにあるデスク。

その周りだけは異様に散らかっていた。

よく見るとデスクの上には人間関連の本や雑誌、首輪や手錠などが乱雑に乗っていた。

どうやらこのデスクはカロンが趣味に没頭する時の作業場らしい。

まじまじと眺めていると、カロンが奥の部屋に続くドアを開けた。

そのドアに掛かっているプレートには「ペット専用監禁部屋」と書かれている。

「こっち」

来るように言われその部屋へ入ると…。


「あ……檻…?」

そこは日常生活を送る空間ではなく、単なる檻の集合体だった。

大小様々な檻があるが、中は全て空っぽだ。


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