EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
散歩を終えたガブリエルとアブディエルの鎖を外し、檻に戻すカロン。
(もしかしてカロンさん……人間を飼うことになってもここを使うのかな…?)
不意に浮かんだ疑問の答えを想像し、ゾッとしていると…。
「あんたはこっち」
檻のカギをかけ終わったカロンに腕を掴まれ、部屋の右側にあるドアへと誘導された。
このドアは入ってきたドアとは違う。
さらにもう一つ部屋が存在するようだ。
カロンは奥へ続く重たいドアを開けた。
「ここが特別なペット専用の部屋」
ドアの先にあった光景は檻ではなかった。
「えっ…これ…」
小鳥は息を呑んだ。
余りにも先程のペット監禁部屋と差がありすぎる。
そこは女の子のための可愛らしい部屋だった。
壁は薄いピンクに白。
ふかふかの絨毯、白い柩、猫足のテーブルやソファー、そしてクマやウサギのファンシーなぬいぐるみ。
「本当にお気に入りのペットが現れたら、この部屋で飼って愛でるつもり」
中に小鳥を導いてパタンとドアを閉める。
「でも、なかなか巡り会えないんだよな。最高のペット。おかげでここはずっと空き部屋」
言いながらカロンは白い柩の蓋を開けた。
「どうして、私をここに…?」
「んー、理由は単純」
柩の中に仕舞われていた「何か」を取り出すと、カロンは小鳥に近寄った。
「これを、こうしてみたかったから」