EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

ニヒルに笑うオーレリアンが眼鏡を外す。

迫る彼の青い瞳に小鳥の緊張した表情が映り込んだ。

「僕さ、あいつのこと大嫌いなんだよね。本当、死ねばいいのに」


(オーレリアンさん!?)


危ないセリフを吐いた目の前の存在に対し、小鳥の脳内で警報が鳴り響く。


「だから…あいつのお気に入りをボロボロにしてやったら、最高に愉快な気分になれると思うんだ」


小鳥の予感は当たった。


「泣いてよ。僕のためにさ」


唐突だった。

強引に服の襟を掴まれ、引っ張られた。

「きゃっ!?」

真っ白な鎖骨が露わになる。

そこをオーレリアンの舌が這った。

逃れようにも背中には壁、前にはオーレリアン。

左右には隙があるが、オーレリアンが簡単に逃走を許すはずがない。


彼の吐息と鋭い牙を肌に感じた瞬間――。


――グチュリ


獲物を選り好みするオーレリアンの牙が、柔らかな肌を突き破った。

深く、深く――溢れる熱を求めてそれは小鳥の中へ入り込む。


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