EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
苦しい。
息ができない。
助けて、と。
誰にも言えずに飲み込んで、誰かに心の救済を求めるのも諦め自身を殺した。
それからだ。
クローンの研究に打ち込むようになったのは。
無邪気だった少年は、ズタズタに傷ついたまま必死で罪を贖おうと躍起になった。
そして今も彼はその延長線上にいる。
「オーレリアンさんは…悪くないです」
「ハッ!言うと思った。そういうのウザイんだよ。今更、慰めの言葉なんていらないし。心になんか響かない」
毒舌を撒き散らしながら手で涙を拭うオーレリアン。
気丈に振る舞おうとする彼を見て、小鳥は抱きしめる力を更に強くした。
「けど…やっぱり……オーレリアンさんは悪くないと……私は思います」
自分の偽りない気持ちを伝えたい。
腕にギュッと力をこめると、オーレリアンの身体はビクリと震えた。
「思えば………久しぶりだ」
小さな呟き。
「何がです?」
小鳥が丁寧に拾ってあげると、オーレリアンは幼子のような声で言った。
「誰かに……抱きしめられたの」