EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

弟の言い分を耳にして、ルカは矛先を二人の兄にも向けた。

「白魔~!カロ~ン!お前らもかよ!小鳥は餌じゃないっつの!」

「あー、やかましい」

「……聞こえねぇ。ルカの声なんか聞こえねぇ」

白魔とカロンがそっぽを向いて呟いた時。


――ピーンポーン


突如、鳴り響いたチャイム音。


「お客かな?」

ソファーから立ち上がった静理が居間にあるインターホンに出た。

「どちら様ですか?……あっ、蜜莉か。待ってて。今行くから」


「ミッつん来たの?」

インターホンから離れて歩き出す静理にルカが尋ねる。

「うん。多分いつものあれじゃないかな」

この言葉にはオーレリアンが反応した。

「ああ…もう切れる頃だっけ?わかった。用意してくる」

こうして次男は玄関へ、末っ子は研究室へと行ってしまった。


(“いつものあれ”って何だろう?)


少しして、小鳥の疑問の答えをオーレリアンが手に握って持ってきた。



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