EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ




「はい、これ」

「ありがとう」

居間へ通されたお客様、蜜莉。

彼はオーレリアンが自室から持ってきた薬のビンを笑顔で受け取った。


「あ、その薬…」

見覚えがある。

小鳥は以前、学校で蜜莉が飲んでいたカプセルを思い出した。

「言ってなかったっけ?僕の薬はオーレリアンが開発してくれたんだよ」

「そうなの!?」

血がダメな蜜莉のために、わざわざオーレリアンが研究して作った薬。

市販では手に入らないので蜜莉は定期的に薬を買いにここへ来るらしい。

「蜜莉ってさ、オーレリアンに命握られてるよな」

「怖いこと言わないでよカロン」

ブルッと身震いする蜜莉にオーレリアンが笑う。

「薬がなくったって死にはしないだろ?昔はなかったんだからさ」

「まあね。地獄を見てたけど」


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