EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
カロンがわざわざしゃがみ込んだ意味をようやく理解した小鳥はスプーンを握ったまま固まった。
(あ、あーんて、食べさせてってこと…!?)
「あーんの意味、わかる?」
「わ、わかりますけど…」
「じゃあやって」
そう言ってから少し口を開けるカロン。
まさに餌を待つ雛鳥だ。
(うう~…なんだか恥ずかしいけど…)
期待に満ちた眼差しで待っているカロンのため、仕方なくカレーをすくったスプーンを差し出す。
チラリと見える彼の牙にドキッとした瞬間――。
「ん」
カロンがスプーンに食いついた。
「あーっ!!カロンお前!小鳥のスプーンを!!」
顔を赤くしたり青くしたりと忙しいルカが叫ぶ横で、カロンの口はモグモグ動く。
「んー。やっぱ血の方が俺の舌には合う」
なんて感想を述べるカロンの背中に白魔がのしかかった。
「小鳥、僕にもやってよ。今の」
「え…!白魔さんにも!?」
「ダメ?ダメなら仕方ないね。君の血で妥協してあげるよ」