EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「仕方ないの意味がわかんねーよ!余計酷いだろうが!」

ルカに睨まれ、睨み返す白魔。

その間に慌てて小鳥はスプーンでカレーをすくった。

吸血されるくらいなら「あーん」一回の方が遥かにマシである。

「はい、白魔さん。どうぞ」

カロンの時と同様に差し出せば白魔は綺麗な笑みを浮かべた。

「ありがとう。ん…」

白魔の口に消えるスプーンの先を見つめていると、蜜莉が食事の手を休めてこう言った。


「餌付け、ね…。この二人を手なずけられたら、たぶん君は最強だよ」

「え…?」

「ルカはもともと懐いてるみたいだし、兄弟の半分は攻略したも同然だね」

「み、ミッつん?何の話…?」

意味がわからず小鳥が問い掛ければ、蜜莉は「頑張ってね」とウインクを一回。

その可愛い仕種にごまかされ、肝心の意味を聞き出せなかった小鳥だった。






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