EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「ん…」
夢中になっているルカの口から吐息が零れる。
「ル、カ…くん」
甘いキスの感覚に酔わされそうになる小鳥。
「小鳥……」
ルカが更に執着の刻印を増やそうとした時だった。
――コンコン
不意にドアの方から壁を叩く音がした。
二人同時に振り向けば、ドアに寄り掛かって腕を組んでいるフェオドールの姿が。
「フェオさん!?」
「い、いつの間にいたんだよ!?」
驚く彼らをジッと見つめてから、フェオドールは冷静に告げた。
「ルカ、食事の時間だ」
「あっ!そっか…もうそんな時間か」
どうやら食堂へ来るよう呼びに来たらしい。
察したルカは小鳥から腕を離した。
「じゃあ……小鳥」
気まずそうに話すルカの顔を見れば、彼は耳まで紅潮させていた。
その照れた様子が可愛くて、小鳥の胸がドキンと鳴る。
(ルカくんも、ドキドキしてたのかな…?)
先程の鎖骨へのキス。
嫌ではなかった。
むしろ心地好くて、ドキドキうるさい胸の鼓動を感じながら大人しく彼に身を任せた。
「あっちー」
パタパタと手で顔を扇ぎながら、フェオドールが待つドアへと近寄るルカ。
最後にハニカむような笑顔を見せて、ルカはフェオドールと共にキッチンから出て行った。