EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
少し落ち着きを取り戻していた身体に再び緊張が走る。
「あら一人?丁度いいわぁ~。あのカワイイ女の子がいない間に悪いお話、しちゃいましょーか」
恐る恐る顔を上げれば、先程外で会った小太りの男性が笑顔で立っていた。
驚愕と恐怖で言葉を失う静理。
(……ついてない。最悪だ。二度と関わるつもりは、なかったのに…)
静理の心の声など完全に無視して目の前の悪魔は一方的に喋り出す。
「アルちゃん。またうちで働く気、な~い?」
「………」
「今ね、看板の子がいないのよ~。丁度この前死んじゃってぇー」
「………」
「アルちゃんなら、また大スターになれるわよ?どう?やらない?やるわよね?」
キモいんだよクソおやじシネ――と声に出す勇気もなく、静理は耳を塞ぎたい衝動に駆られて手を顔にやった。
「アルちゃ~ん?聞いてるかしら~?反応してくんなきゃ困るのよぉー?」