EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「だけど…」
続けようとした静理がそこで言葉を切った。
赤い瞳が切なげに小鳥を見つめる。
「君は俺を庇った……。本当に馬鹿だよ。でも、そんな馬鹿な君が…」
小鳥の肩を抱き寄せて。
「嫌いじゃないよ…」
耳元で熱っぽい囁き。
そして…。
ポタリ、ポタリ。
不意に水滴が零れた。
「静理さん…」
見れば、彼の頬には綺麗な涙が伝っている。
静かに涙する彼に肩を抱かれながら、小鳥は祈るように目を閉じた。