EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

不安げな小鳥にジェラルドはウインクを送る。

「心配ないよ。信頼のおける召使を傍に置いているからね」

それを聞いて小鳥が小さくホッとした時だった。

書斎へ続くドアからフェオドールと白魔が入って来た。

「白魔、その日はクライアントと会う予定が…」

「はあ?今更言われたって、もうコンサートの予定入ってるんだから無理さ。君に任せ――っ!父上!?」

居間にいるジェラルドを発見し、驚愕の表情をする長男。

対してフェオドールはいつも通りの無表情だ。

「やあ白魔、フェオドール。元気にしてたかな?」

ニコリと笑顔を向けられるが、白魔はきつい眼差しを返す。

「父上!何でいるのさ!帰って来るなんて聞いてないよ」

「言ってないからね。ビックリさせようと思って」


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