EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

激しい勢いのまま一気に最後まで駆け抜けると、父親を呪わしく思う表情から一変。

疲れた両手をダラリと下に垂らし、彼は傷ついた顔で呟く。

「……だから母上は、父上をこれっぽっちも愛していなかったよ。もちろん…僕のことも」

酷く落ち込んでいる様子の彼に、何て言葉をかければ良いのだろう。

迷っていると、白魔が小鳥のことを真っ直ぐ見つめて口を開いた。

「僕の名前の由来…知ってる?」

神妙な面持ちで小鳥は首を横に振る。

すると自嘲気味に彼は言った。

「白い悪魔っていう意味なんだ。名付けたのは母上さ。僕は母上からしたら…悪魔だったんだ」

「そんな……どうして…」

「原因はこの髪色。僕は生まれた時から白髪でね。闇人にはたまにいるらしいんだけど……人間からしたら気持ち悪いんでしょ?生まれたばかりの子供が白髪だなんてさ」


――気持ち悪い!!触らないでちょうだい悪魔!!


「人間じゃない子供。髪は白いし、牙がある。おまけに主食は血液さ」


――こんなの、私の子じゃないわ!!


「母上は僕を突き放した。けれど……何度突き放されても……僕は…」



――ははうえ…



「馬鹿だったからね…。愛して欲しかったんだ」


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