EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
感情のまま泣きそうになり、白魔の瞳が潤んだ。
しかし彼は小鳥から視線をそらすことなく手を差し出す。
「おいで」
愛を求めるように囁かれ、小鳥の足は無意識に動き出した。
ゆっくりと、白魔の傍に歩み寄る。
「小鳥…」
グイと手を引かれ、彼女は白魔のすぐ横に座らされた。
横長の椅子が二人分の重みを受け、ギシリと軋む。
「愛の夢、か…。僕はその“愛”の死に場所を探しているんだ」
耳にこびりつく、母親が好きだった甘いメロディー。
振り払いたいのに、音は止まない。
「音の渦に呑まれながら夢想してみても、愛の墓場が見つからないんだよ。どこかに葬りたいのに、結局まだここにある」
そう言って彼は自身の胸に手をやった。
「母上なんか……愛さなければ良かった…。愛情を求めなければ…楽だったのに…」