EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

母親の愛情を欲しがるのは子供として当然ではないか。

その思いを後悔して殺そうとする白魔が痛々しい。

「白魔さん…」

どんな言葉をかけようか迷っている小鳥を、白魔がそっと抱きしめた。


「ねえ、小鳥の愛を僕にちょうだい」


縋り付くような腕の力。


「君の愛情で、僕のこの想いを殺して」


白魔に抱かれた小鳥の身体が徐に傾けられる。

熱い吐息を首筋に感じ、小鳥は何をされるのか悟った。


(吸われる…!)


硬い牙の先が柔らかい肌に触れ――。


「………」

突如、ピタリと白魔の動きが止まった。

小鳥を抱きしめたまま部屋のドアを見つめ、深い溜息。


「………父上」


白魔が呼んですぐ、キィーと音がしてドアが開かれた。


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