EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「白魔、小鳥ちゃんは食糧じゃないんだよ?やめなさい」

白魔の予想通り、ジェラルドが入って来る。

柔らかい口調で優しく注意されるも、長男は嘲るように笑った。

「もちろん、小鳥は食糧なんかじゃないさ。僕が渇望するものをくれる唯一の子だよ」

「渇望するもの?白魔は何を欲しているのかな」

近づいてくる父親にナイフを向けながら白魔は更に笑みを深める。

「父上と同じものさ」

「そうか。それは大変だ。私が欲しいものは一筋縄じゃ手に入らないものばかりだからな」

ニコリと綺麗に笑うジェラルド。

その表情に苛立ちを覚えたのか、白魔がナイフを投げた。

ジェラルドの顔目掛けて一直線に飛ぶ刃。

また怪我をするのではと、小鳥が叫びそうになった時だった。


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