EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
パシッ、と音がした。
見れば、顔に刺さる手前でジェラルドがナイフを上手くキャッチしていた。
右手で掴み取ったそれを両手で弄びながら視線を小鳥に向ける。
「小鳥ちゃん、大丈夫かい?」
「あ……はい」
驚きながらも何とか返事をすると、ジェラルドは満足げに口角を上げた。
そして再び息子に視線をやる。
「白魔、今週末に小鳥ちゃんの歓迎パーティーをするからね。覚えておきなさい」
「は?歓迎パーティーって……まさか舞踏会?」
「まあ、そんなところかな」
「うわ…面倒臭い」
舞踏会という単語に小鳥は首を傾げた。
(歓迎パーティーは何となく想像できるけど……舞踏会…?)
舞踏会ということは踊らなければいけないのだろうか。
ダンスなど全くできないため、ちょっぴり不安を覚えた小鳥だった。