EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「……およそ一日」
フェオドールがボソリと呟いたのは小鳥が自分に恋したままであろう時間だ。
「それまで…どうしたものか」
とりあえず抱えていた研究用の薔薇を自室に運び込んだのは良かった。
しかしその間、フェオドールの後ろにはずっと小鳥がへばり付いていた。
フェオドールが右へ行けば小鳥も右へ。
左へ行けば小鳥も左へと、まるで親鳥を追いかける雛鳥の如くどこまでもついてくる。
そして言うのだ。
「フェオさん、好き…」
ギュッと腰に抱き着かれる。
なかなか積極的なアプローチにフェオドールは目眩を覚えた。
「………どうしたものか」
闇人ならばあの程度の香りでこうなることはない。
血の臭いには敏感だがそれ以外だと人間より鈍感になるため、フェオドールは両手で持っていても平気だった。