EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

もう少し香りをきつく改良しようかと思案していた所だったのだが、どうやら人間には充分すぎるらしい。

「……とりあえず、居間へ行こう」

今日はこれから自室に閉じこもって色々実験をしようと思っていたのだが、小鳥がこんな状態では集中できそうもないので却下。

嬉しそうにピッタリ寄り添う小鳥を観察しつつ廊下を歩いていると、学校から帰ってきたルカとオーレリアンに遭遇した。

「こ、小鳥…?どうしたの?なんかフェオと近すぎじゃない?」

違和感を感じたルカが恐る恐る尋ねる。

すると小鳥は頬を赤らめて、さっきから繰り返している言葉を言った。

「フェオさんが、好きだから…」

この時、あまりの衝撃に脳内が一瞬真っ白になったのはルカだけじゃなかった。

「……お前さ、自分が何を言ったかちゃんと理解してるの?」

怒りやら嫉妬やらが入り混じって、ヒクヒクと口角を痙攣させるオーレリアン。


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