EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「へえー。便利グッズだな、赤薔薇って。俺も嗅ぎたい」
「お前が嗅いでどうする」
「溺愛の限界を知るために。良くねぇ?」
間髪を容れずに返ってきた答えを聞いて、また内心呆れてしまう。
とにもかくにも、怒りを静めたカロンは仕事場へ向かうため、一人で屋敷を出て行った。
やっと居間のドアを開ける。
中には誰もいなかった。
ホッとしてソファーに座るフェオドール。
すると、小鳥も当然のように彼の隣へ。
ピッタリと寄り添ってくる小鳥に対し、フェオドールは内心たじたじだ。
「マドモアゼル。近すぎではないか?もう少し離れてもらえると、ありがたいんだが…」
「あっ、すみません…!ご迷惑、ですよね…」
「いや、迷惑というよりも…」
美味しそうな餌が自ら無防備全開で迫ってきているこの状況。