EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

白魔やカロンだったら即、吸血していることだろう。

「……俺に血を吸われたくはないだろう?」

彼女の血に興味はある。

あのオーレリアンでさえ牙を立てたのだ。

小鳥の血がどんな味か、吸ってみたいという思いは強い。

しかし、彼女は家族なのだ。

餌ではない。

ルカと同じ考えを持つフェオドール。

だからこそ我慢できると思ったのだが…。


「フェオさん…」

不意に小鳥がフェオドールの手を取った。

そして彼の手を自分の首筋に触れさせる。

指先に小鳥の体温を感じ、フェオドールがピクリと反応した。


「フェオさんが良ければ…吸って下さって構いません」


餌が捕食者に食べられたがっている事実。

熱っぽい瞳がフェオドールを見上げる。


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