EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「マドモアゼル、もっと自分を大切にした方がいい。俺に血を吸われたら、君は痛みに泣き叫ぶことになる」

握られている手をやんわり解こうとしたフェオドールだったが、小鳥は更にキュッと力をこめた。


「大丈夫です。フェオさんが与えて下さる痛みなら……堪えられます」


痛みすら、愛おしい。

恍惚とした表情でそう囁く彼女を、フェオドールは欲に塗れた眼差しで見つめた。


(知りたい…。彼女の、愛情の深さを…)


貪欲に求めても、小鳥は自分の全てを受け入れてくれるのだろうか。

愛してしまったら相手の全てを自分のものにしなければ気が済まない性質のフェオドール。

過去に愛した女性達は皆フェオドールの欲深さを知ると、支配される恐怖に怯えて逃げ出した。


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