EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「危ない!!」

「きゃ…!!」

小鳥に覆いかぶさり抱きしめる。

ナイフは盾となったフェオドールの肩に突き刺さった。

「っ…」

「フェオさん…!血が!」

ジワリと肩から赤が滲み出る。

起き上がったフェオドールは肩からナイフを抜きながら、ドアに寄り掛かっている犯人に向き直った。

「白魔…マドモアゼルを殺す気か?」

「そうだね。君に血を吸い尽くされるくらいなら、小鳥なんて僕のナイフで死ねばいいんだよ」

長男、白魔が靴音を響かせながら優雅に近寄ってくる。

「ああ……こんなに吸わせて…」

首筋の傷を見た白魔は苛立ちをぶつけるようにまだ痛むそこを指で押した。

「うっ…!」

顔をしかめる小鳥。

その表情を見て歪んだ笑みを零す白魔と、不安げに瞳を揺らすフェオドール。


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