EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
ルカが手に取ったのは、可憐なピンク色のドレス。
胸元から首にかけて上品なレースがあしらわれたそれは全体的に落ち着いたデザインだが、小鳥のような十代の女の子が着れば華やかに見えるだろう。
「わあ…!可愛い!」
目にした瞬間、そのドレスを気に入った小鳥だったが…。
「でも…あの…こんな高そうなドレス……私なんかが着ても、いいんですか…?」
貧乏生活が当たり前だった小鳥は今までドレスなど着たことがなかった。
ゆえに自分には不相応ではないかと思ってしまい、素直に喜べない。
しかもこのドレス以外にも、周りには候補がいくつも置かれている。
自分のために大量買いさせてしまったことが心苦しい。
しゅんとなる小鳥。
彼女の気持ちを察したジェラルドが「気にすることはないよ」と言おうとした瞬間――。