EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

食堂の中は血の臭いが充満していた。

ショックのせいか充満した悪臭のせいか、小鳥は吐きそうになった。


(気持ち悪い…。ここから、出たいよ…)


涙目になりながら出入口をちらりと見る。

すると、それに気づいたオーレリアンが皮肉げに笑った。

「お前、今ここから逃げたいって思っただろ。バーカ。だから縛ったんだよ」


心境を見抜かれて俯く小鳥の顎を、彼は乱暴に掴んだ。

「よく見ておきなよメスブタ。これが…僕達さ」


女性の首の骨を折ってから、身体の血を吸い出すフェオドール。

ルカは絶叫して暴れる女性を押さえ込みながら首筋に牙を立てていた。


ふと、ルカと目が合う。

彼は一瞬、怯えたような瞳をした。


(ルカ、さん…?)


怖い光景のはずなのに、戸惑うような弱さを見せたルカの瞳が気になって視線がそらせない。


「み、見んなっ!」

小鳥の視線に耐え切れなくなったのか、ルカが小声で呟く。

きつく睨まれ、小鳥が視線をそらそうとした時…。



――ズキンッ


「っ…!」


急に頭が痛み、脳内を何かがフラッシュバックした。


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