EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
赤い血と、白い背景。
そして、血を貪り啜る金髪の――。
(だ、れ…?誰かが…何かを……あれ…?よく、思い出せない…)
ただ一つわかることは。
(私、この光景を……知ってる…?)
こんな恐ろしい吸血シーンなど一度見たらトラウマになって忘れないはず。
なのに記憶を探しても思い出はなく、既視感だけが見え隠れする。
(わからない…。思い、出せない…)
空白の記憶に感情だけが付き纏う。
泣き出したい感覚に襲われた時、白魔の唐突な言葉が耳に入った。
「ハァ…もう、これには飽きたよ」
吸っていた女性から離れ、小鳥を見つめる。
「ねえ、君の血を味見してみたいな」
白い髪の吸血鬼がゆっくりと近寄ってきた。