EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

自分にも父親との暗い記憶があるせいか、小鳥は彼らの過去を嫌悪したりはしなかった。

むしろ同情してしまう。


「ところでさ、小鳥は……地上に彼氏とか…いた…?つか、いる?」

いきなり話題が吹っ飛び、小鳥は意表を突かれた。

「い、いませんよ!私、全然モテませんから」

「そっか……良かった。……て、ああっ!違うから!小鳥がモテなくて良かったとかじゃなくて…!あ、いや確かにモテなくて俺としてはラッキーかもだけどその…!」

「ルカくん…?落ち着いて」

「あ…うん。落ち着く…」

赤らんだ頬のまま、ゆっくり深呼吸。

余裕を取り戻してからルカは咳ばらいを一つした。


「じゃあさ、これから……彼氏、つくる気ない?」

「え…?」

「俺さ、小鳥のこと……好――」


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