EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
危険極まりない招待客
†††
闇を象徴するかのような黒き軍服。
その詰め襟には逆五芒星が刻まれている。
「遅れて申し訳ございません。皆を代表して俺が謝罪致します」
そう言って主催者のジェラルドに頭を下げたのは、先頭を歩いていた黒髪の青年だった。
彼の軍服の襟元や袖口には紫のラインが引かれ、詰め襟にある逆五芒星も紫で統一されている。
「いやいや氷河(ひょうが)くん、謝罪は無用だよ。私は細かいことは気にしない性分だからね」
仮面越しにニコリと笑うジェラルド。
「ありがとうございます」
「それより仮面はどうしたのかな?マスカレードだと招待状に書いておいただろう?」
氷河という青年も、彼の後ろに控えている青年達も皆、素顔を曝している。
「我々は軍人ですから。パーティーの席でも気を緩めないよう常に心掛けています。どうか、ご了承下さい」
「ふむ、相変わらずお固いな。まあいい。楽しんでいきなさい」
しぶしぶ納得してから、ジェラルドはクルリと小鳥の方を向いた。