EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「だ、ダメです…」
「いいじゃない。ちょっとくらい、さ」
白髪という外見上、兄弟の中で一番儚い印象のある白魔だが、今の彼は血に飢えた獣同然、荒々しい雰囲気を漂わせている。
小鳥の頭の中で危険信号が点滅した。
「君の肌から甘美な血の香りがするんだ。僕を陶酔させるほどの香り…。居間にいた時から感じてたよ。君の血は僕を狂わせるって」
そう耳元で囁くと、白魔は獲物の首筋をペロリと舐めた。
ビクリと肩を震わせる小鳥にクスクスと笑う。
「そんなに怯えないでよ。殺しはしないからさ」
首筋を牙が這う。
(嫌!!嫌!!誰か…誰か助けて!!)
小鳥は周りを見回してルカに視線を止めた。