EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「有名な方なんですか?」
コソッと問えば、カロンが一番に答えてくれた。
「魔冬雪風は、ここのトップ」
「あれだよ…!地上で言うなら内閣総理大臣ポジションの人!」
ルカの説明に納得する。
偉い人だということはピンと来た。
更に緊張が増してドキドキしていると、ジェラルドがこちらを向いた。
「さあ、後は若い人達で楽しんでくれたまえ。私は雪風とゆっくり話してくるよ。本当に久しぶりだからね」
地下世界のトップとジェラルドがテーブルの方へ行ってしまう。
残された面々はしばし無言だった。
魔冬氷河がこちらを睨めばカロンやルカ達も睨み返す、といった具合だ。
(どうしよう…この空気…)
重過ぎる。
息苦しい。
何か話題を、と考えていると、氷河の後ろに控えていた軍人が前へ出て来た。