EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「紫音(しのん)、うるさいですわ。蜜莉と違ってあなたは全く可愛くない弟ですわね」
(え?え?また弟?)
「整理すっと、こうなる」
関係図に混乱している小鳥に気付いたカロンが囁いた。
長女、野薔薇。
長男、蜜莉。
次男、紫音。
「ミッつん、ブラコンな弟がいるとは言ってたけど…マジだったんだ」
「姉貴もブラコンぽくね?」
ルカとカロンがコソコソ話していると、可愛い顔をした紫音が小鳥に近寄ってきた。
「キミが人間だよね?」
「あ、はい…」
「これ、あげる」
紫音が差し出したのは彼が手に持っていた桃色ウサギのぬいぐるみ。
「ボクからのプレゼント」
蜜莉と似たニッコリスマイルが小鳥に向けられる。
「あ、ありがとうございます…」
緊張しつつ笑顔で受け取ったら、紫音は可愛い表情から一変。
極悪な顔でニヤリと笑う。
――ゾクリ
(っ…!なんだろう…今の)
なんだか嫌な予感がする、と思った時、蜜莉が顔を青くした。
「小鳥!受け取っちゃダメだ!早くそれ捨てて!」
「え?」