EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

小鳥が動く前にカロンがウサギに手を伸ばした。

ぬいぐるみをヒョイと持ち上げ、小鳥から奪う。

「せーの」

掛け声と同時にカロンが天井へぬいぐるみを投げた。

すると…。


――ドォーン!!


ぬいぐるみが爆発した。


「きゃ!?」

「うわっ!?あれ、爆弾入ってたのかよ!?」

「わお、かなりの殺傷能力。小動物にあれはヤバイ」

空中で爆発したぬいぐるみは何を破壊することもなく散り散りに。

ルカと小鳥は冷や汗をかいた。

「小鳥にあんなもん渡すなんて、どういうつもりだよ!」

ルカが吠える横で冷めた声がした。

「俺達軍学校の闇人が、人間を嫌っているということだ」

魔冬氷河だ。

彼は紫音を咎めるどころか肯定するような口振りで先を続けた。

「人間は闇人の餌にすぎない。我々が管理し支配して当然の、愚かで下等な生物だ。そんな存在を家族として迎えるなど、俺達には到底理解できないな」


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