EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「お前、ケンカ売ってんの?」
ルカが仮面を外し、真正面から氷河を睨む。
「小鳥を――人間を馬鹿にするな!!俺達だって半分は人間だろが!」
「ふん。共存主義者の遠吠えなど聞こえんな」
尊大な態度で腕を組む軍学校のエリート。
「なんだと~!」
「待て待てルカ。ケンカして勝てる相手じゃないっての」
挑もうとする弟の頭をカロンが手で押さえる。
カロンは心底面倒臭そうに溜息をついた。
「あーあ。これだからガチガチの支配主義者ってウゼー」
「あの…なんですか?支配主義者とか、共存主義者って」
誰にともなく尋ねれば、蜜莉が教えてくれた。
「支配主義っていうのはわかりやすく言うと“人間大嫌い主義”のこと。人間よりも闇人の方が優れてるし、偉いと思ってるんだ。だから闇人を増やしまくって、いつか人間の世界…地上を闇人が支配してやるっていう大層な野望を掲げてるんだよね」