EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「た…助けて、下さい…ルカさ…」
か細い声で呼びかければ、ルカと視線が重なった。
「ぁ……小鳥…」
ルカの瞳が見開かれ、次第に傷ついたような表情になる。
「や、やめろ……俺を、見るなっ…」
悲痛に呻くような声。
(どう、して…?なんでルカさんが、そんな顔するの…?)
泣き出したいのは自分なのに、彼の方が涙目になっている。
(助……け、て…)
小鳥の思いも虚しく、ルカは動かなかった。
小鳥の瞳が絶望に染まる。
「じゃあ…いただくよ」
迫る吐息。
撫でられる肌。
皮膚に当たる硬い尖り。
小鳥の目尻から静かに涙がこぼれ落ちる。
悲鳴も上げれずに歯を食いしばった時だった。
「おい」
白魔の背後にやって来た背の高い誰かが、どすの利いた声を出した。