EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「マジで!?やっちゃっていいの!?」

肩に背負っていたバズーカを嬉しそうに構える千夜という少年。

「バズーカ!?おいおいおい!なんつーもんを人んちに持ってきてんだよ!」

焦ったルカが、小鳥を被害から守るべく一歩前に出た時だった。


「カロン様に手出しはさせませんわよ」


腰から剣を抜いた野薔薇が氷河に鋭い切っ先を向けた。

氷河の日本刀とは違い、彼女の剣はフェンシングのもののように細身だ。

「千夜、今すぐバズーカを下ろしませんと、貴方の大事なお兄様の胸に真っ赤な鮮血の薔薇が咲きますわよ」

「げっ、アニキ~!どうしよ~!」

「かまわん。撃て」と氷河が命じようとした丁度その時。


「軍人が暴徒でもない一般市民を傷つけた場合、懲役二百年。殺した場合は九百年以上または死刑」


フェオドールの淡々とした声が響いた。


「軍学校の生徒も同じはずだが」


言いながら氷河を睨んでやれば、軍学校のエリートは悔しげに歯ぎしり。


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