EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 それから手錠を外してもらい、出掛ける準備をして屋敷を出た小鳥達。

電車に乗って約一時間。

少し遠出をして到着した駅の名前は「遊都秘愛」だった。


「あの……なんて読むんですか?」

「ああ、あれでユートピアって読むらしいよ。完全に当て字だよな」

ルカが隣を歩きながら教えてくれる。

そして駅から出たところでキュッと手を繋いでくれた。

カロンが。

「さ、入り口はこっち」

「あ、待って下さいカロンさん…!」

足の長いカロンの歩幅は小鳥の倍だ。

引っ張られるかたちで、駅のすぐ目の前にある遊園地のゲートをくぐる。

「……おい。カロン」

「んー?」

「お前なんで一緒に来たんだよ!三時からライブなんだろ?会場行けよ!ミッつん怒るぞ」

「ちょっと雲隠れすっから、あとよろしくって、さっきメールうったから平気」

「いや、それ全然平気じゃねぇだろ!絶対ミッつん探してるって!」


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