EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「あれが…学校…」

ルカ達の学校もそうだが、見た目だけでは絶対に学校だとわからないだろう。

その建物には一切窓がなく、出入口も正面に見える扉一つだけのようだ。


「まだ時間ではないか…。あと一分待て」

「え?」

正面玄関の前まで来て、懐中時計を取り出した氷河。

時間を確認してから待つように指示を出す。


(どういうこと?中に入れないの?)


それとも仲間と待ち合わせだろうか。

小鳥が首を傾げているうちに一分が経った。


「……よし。時間だな」



――ギィイー…



観音開きに作られている正面玄関の扉を氷河が開ける。

「早く入れ。グズグズしていると回り出すぞ」

「回る…?」

意味がわからなかったが、とりあえず急いで中へ。


小鳥と氷河が薄暗い廊下へ足を踏み入れた時だった。



――ギィイー…



自動で玄関の扉が閉まった。

振り返って見ると、扉の内側には大きな逆五芒星のマークが描かれていた。

と、次の瞬間――。


「きゃ!?」

ゆっくり、非常にゆっくり、建物が回転し始めた。

「な、に…!?」

ルーレットが回るように横へスライドしていく。


< 397 / 505 >

この作品をシェア

pagetop