EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「あれが…学校…」
ルカ達の学校もそうだが、見た目だけでは絶対に学校だとわからないだろう。
その建物には一切窓がなく、出入口も正面に見える扉一つだけのようだ。
「まだ時間ではないか…。あと一分待て」
「え?」
正面玄関の前まで来て、懐中時計を取り出した氷河。
時間を確認してから待つように指示を出す。
(どういうこと?中に入れないの?)
それとも仲間と待ち合わせだろうか。
小鳥が首を傾げているうちに一分が経った。
「……よし。時間だな」
――ギィイー…
観音開きに作られている正面玄関の扉を氷河が開ける。
「早く入れ。グズグズしていると回り出すぞ」
「回る…?」
意味がわからなかったが、とりあえず急いで中へ。
小鳥と氷河が薄暗い廊下へ足を踏み入れた時だった。
――ギィイー…
自動で玄関の扉が閉まった。
振り返って見ると、扉の内側には大きな逆五芒星のマークが描かれていた。
と、次の瞬間――。
「きゃ!?」
ゆっくり、非常にゆっくり、建物が回転し始めた。
「な、に…!?」
ルーレットが回るように横へスライドしていく。