EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「レオか」
氷河が近づいてくる彼の名前を呼んだ。
背の高いレオという男子は軍服の下にパーカーを着ているらしく、頭に白のフードをかぶっていた。
(学ランの下にパーカー着てるみたい)
フードからチラリと覗く髪はサラサラの青。
(青い色は…地毛なのかな…?)
ジッと見つめてそんなことを考えていたら、レオと視線がぶつかった。
髪と同じで彼の瞳は清んだ空色だ。
「あ…あんまり、見ないで下さい」
そう言ってレオは顔を隠すようにフードを両手で握った。
その様子を見て氷河が軽い溜息をつく。
「レオ、何度も言っているだろう。お前はブサイクじゃない。もっと自信を持て」
「で、でも…」
自分の顔にコンプレックスでもあるのか、レオは恥ずかしそうに俯いた。
(キレイな顔してると思うのに…)
レオの顔を見上げる小鳥。
その隣で氷河がポケットからメモ用紙を取り出した。
「ああ、そうだ。レオ、例の誘拐犯が使用していた車のナンバーだ。渡しておく」
「ありがとうございます。あとのことは情報処理部隊の俺達に任せて下さい」
「頼んだぞ」