EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
カロンの話を黙って聞いていたオーレリアンがここで口を開いた。
「あのサルが何の役に立つんだよ」
「もと生徒らしいから、校内案内に最適」
カロンが答えた瞬間だった。
「お待たせ~!」
元気のいい声が飛んできた。
「アルト!?早かったな!」
駅から走ってくる赤髪を発見し、ルカが駆け寄る。
「そう?ハニーの姉ちゃんから連絡あってさ。かなり前に出てきたからね」
人懐っこい笑みを浮かべるアルトはクラヴィエ兄弟の顔を見回した。
「さて、可愛い女の子のために一肌脱ぎますか!みんな覚悟するように!」
覚悟の意味がわからず首を傾げる彼らに、アルトはニヤリと口角を上げる。
「俺達が今から行くところは“悪魔の城”だからね」