EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
地下都市闇人軍学校。
通称「悪魔の城」と呼ばれるその建物には、不法侵入した者を五体満足で帰さないようにするトラップがいくつも仕掛けられている。
「というか、初心者だと中にも入れないかもね」
アーチ型のゲートをくぐり、ドッシリ構えた巨大な校舎へと歩きながらアルトはケータイで時間を確認した。
「この時間じゃ無理か~」
「何グズグズしてるのさ。早く中に入りなよ」
一つしかない入口の前で立ち止まったアルトを睨みつつ、白魔が扉を開ける。
しかし、現れたのは廊下ではなく、剥き出しの石壁だった。
「は?なにこれ。通れないじゃん!」
目を丸くするルカの横でアルトが頭をかく。
「ここ、回転式なんだよね。時間になんないと廊下が来ないから困るんだよな~」
「はあ!?」
素っ頓狂な声を上げるルカにアルトは氷河と似たような説明をしてやった。
「へー、階ごとに床が動くのか。すごい作りだね」
「目ぇ回りそう」
静理とカロンがそれぞれ感想を述べていると、突然石壁が横にスライドし始めた。
開けっ放しの扉から壁が消え去り、長細い廊下が現れる。
「あ、来た来た。急いで!」