EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
アルトを先頭に、走って中へ。
中央にある螺旋階段の前まで来ると、アルトは全員の服装を目で確認した。
「でさ、軍服着てないとかなり目立つんだけど。どうする?」
「んじゃあ、ちょっくらその辺のモブキャラ捕まえてひんむくわ」
「カロン、それ完璧に悪役のセリフだから!怖ぇーから!」
溜息を吐いてルカは続けた。
「だいたい、ここにいる奴らってみんな軍人の卵だろ?アッサリひんむけるわけ…」
「…ルカ、あっち見て」
クイクイとフェオドールがルカの袖を引っ張る。
「え?」
すると、近くの教室に入って乱闘騒ぎを起こしている長男、次男、末っ子の姿が。
「だああぁー!!お前ら何やってんだぁ!!!」
「あ、出遅れた」
そう言ってカロンまで参戦する始末。
しかしカロンが行った時にはすでに決着がついていた。
「はい、ルカ」
笑顔の静理が黒と赤の軍服を渡してくる。
「なあ…よく勝てたな」
「授業中かと思ったら、不良生徒によるカツアゲの現場だったみたいでね。少人数しかいなかったから楽だったよ」
笑顔で楽と言ってのけた兄に若干引きつつルカは軍服に着替えた。