EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「さあ、わからないな」
「そう、ですよね…。すみません」
ションボリとする小鳥を見て、静理はちょっと考えてから口を開いた。
「一つだけハッキリしていることは、この屋敷には来ないということだね」
「え?お母さん、一緒に暮らさないんですか?」
「この屋敷は俺達兄弟専用の住まいだから、君のお母さんは別の屋敷を与えられるはずだよ」
「そんな…」
(じゃあ、私はここで一人…)
六人の吸血鬼に囲まれて、怯えながら毎日を過ごさなければならないのか。
「そんなに落ち込まないで…。そうだ、お腹空いてない?一応、今あるものを持ってきてみたんだけど……食べるかい?」
静理はテーブルに置いておいたパンを小鳥に手渡した。