EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「学校でこれ、ありなわけ?」
「ん~、野郎が多いからね。目の保養に一つくらいありっしょ」
ニシシと笑うアルトがオーレリアンにそう答えた時、カロンがドアノブを握り、なんとまたもや扉を開けた。
「「あああっ!!!」」
まさかの二回目に二人が声を上げると、カロンは至って真面目な表情でこう自己弁護。
「いや、なんかさ。このねーちゃんが“アタシを開けて”って誘惑してきたからさ」
「「してない!!!」」
二人がカロンにツッコミを入れた瞬間。
真っ暗な扉の中が赤く光った。
それを目で確認したアルトはサッと顔を青くする。
「ヤ、ヤバイヤバイヤバイ!!ここのトラップ火炎放射器だ!!」
「はあ!?火炎放射器!?」
「へー、恋人の扉に嫉妬の炎ありってか?」
目を丸くするオーレリアンと状況を楽しんでいるカロンの腕を引っ張り、アルトは駆け出した。
「ドア閉めてるヒマないから!!死ぬ気でダッシュ!!!!!」
放射器から飛び出した炎が廊下を通って背中まで迫る。
走りながら元凶であるカロンをギロリと睨むオーレリアン。
「あー、マジすまん。弟よ」
「お前なんか大っ嫌いだ!学習しろぉお!!!!!」
末っ子の怒声が廊下に響き渡った。