EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
フェオドールが乗ってきたため勝負開始。
二人は教官室のドアを開けて中の様子をうかがった。
「良かった。二人もいるね。さて、どっちにする?ボーイッシュな髪のウブそうな方か、茶髪ロングのセクシーお姉さんタイプか」
「聞かないでくれ…。どちらでもいい」
「それは自信ありってこと?さすがフェオドール。君ってさ、父上に似て顔だけはいいからね。どんな女性も君がボケッと立ってるだけで惚れるって噂だよ」
「なんだそれは…」
白魔とフェオドールがコソコソ話していると、セクシー系女性教官が二人に気づき近寄ってきた。
「あら、あなた達。今は授業中よ。なんの用かしら?」
誘うような色っぽい眼差しでわざとらしく見つめられ、白魔とフェオドールは一瞬で悟った。
これは好都合。
白魔がニヤリと笑う。
「丁度良かった。先生に用があったんです。ちょっと僕達に付き合って下さい」
白々しさ全開で白魔が彼女を廊下へ誘(いざな)う。
女性教官は慣れているのか、秘密を共有する仲のように空き教室までついてきた。
「あなた達、とっても美人ねぇ。うちの学校にこんな綺麗な子いたかしら?」
「ふふ、ヒドイなぁ先生。僕達のこと気づいてなかったの?授業中、あんなに熱い視線で先生のこと見つめてたのに」
嘘八百。
兄のセリフに内心呆れつつ、フェオドールも調子を合わせた。
「先生…早くヤりたい」
「あら、綺麗な顔しててもやっぱり男の子なのね~。いいわよ。おいでなさい」
お許しが出たためフェオドールが彼女の唇を奪う。
(ハァ……マドモアゼルの…小鳥の肌を想像しないと吐きそうだ…)
白魔が女性の肩に牙を這わせているのを横目に、フェオドールは小さく息を漏らした。