EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

何が作れるんだ?と尋ねようとして氷河は我に返った。

コホンと咳ばらいを一つしてキッと小鳥を睨む。

「おい、人間の分際で馴れ馴れしく話し掛けてくるな」


(照れまじりに言われても…)


まだ話していたかった様子の氷河に気づき、小鳥は小さく笑った。


(なかなか素直になれない人なのかな?)


考えながら、隣に座っている月那をチラリと見る。


(月那ちゃんが来てからだよね。氷河さんの雰囲気が変わったの)


月那が傍にいるからか、氷河の纏う雰囲気が柔らかくなっている。

月那様々だ。


(でも、状況は何も変わってないんだよね…。どうしよう…)


和んだからって氷河から逃げられるわけではない。

シロップたっぷりのホットケーキを口に運びながら渋い表情をしていた時だった。


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