EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

ジッと見つめて氷河の反応を待つ。

すると後ろにいる誰かに優しく頭を撫でられた。

「カロンさん…?」

「ん。いい子いい子」

振り向けば、カロン。

何が「いい子」なのだろうと首を捻っていると、オーレリアンが口を開いた。

「その言葉、こんな奴に言う前に僕達に言いなよ。尻軽」

「えっ!あ、はい……ごめんなさい」

素直に謝罪する小鳥が面白かったのか、静理が口元を緩ませる。

「フフッ、謝っちゃうのか。なんだか小鳥ちゃんらしいね」

「そ、そうですか…?」

小鳥が照れまじりに苦笑した時だった。

黙っていた氷河が吐き捨てるように言った。


「ハッ、人間は嘘つきなうえ小賢しいからな。油断させてから裏切るに決まってる」

「そんなこと…!」

「ならば……お前は俺にこうされても平気だな?」


突然だった。

氷河が小鳥の身体を抱き寄せ、彼女の首筋に狙いを定めた。

開かれた口からは牙が覗き、熱い吐息が肌に迫る。


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