EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
カロンとアルトもルカに続いた。
「兄様、僕達も行こう!」
「ああ」
こんな場所に長居は無用だ、と目で言うオーレリアンにフェオドールも頷く。
走っていく弟達を横目に静理はナイフを投げた長男を待った。
白魔は氷河の肩からナイフを抜き、妖しく笑んでいる。
「僕の目の前で小鳥の血を吸おうだなんて、イイ度胸してるね」
ナイフについた血をペロリと舐めてから、それをペッと床に吐き出す。
「次、同じことをしようとしたら、報復として君の大事な子の血を吸い尽くしてあげるよ。もちろん、君の目の前で、さ」
月那を見つめて狂気的に瞳を輝かせる白魔。
氷河はグッと唇を噛み、月那を守るように抱き寄せた。
「白魔、そろそろ俺達も行こう」
静理に呼ばれて白魔も歩き出す。
「フフッ、じゃあね」
そして、全員が螺旋階段に消えていったところで月那が焦った声を上げた。
「氷河さま、早く止血しないと…!」